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ポルターガイストのesのネタバレレビュー・内容・結末

ポルターガイスト(1982年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

今観ても撮影技術が凄い。制作風景を見てみたい。

恐らく1981年に改正が決定した廃棄埋葬地法の改正案について着想を得たであろう作品。1981年1月にはカーターの民主党政権からレーガンの共和党政権に代わっている。主役となる一家は後者を支持していることが窺える。
最後のテレビを捨てる描写まで細部に色々と政権批判諸々な皮肉が溢れている。

「ポルターガイスト」は思春期の不安を抱えた少年少女が引き起こすこともあると言われているので存在感の薄い長女はミスリードの為に用意された存在だと思う。仲は良いようだけど下の弟妹との年齢差から母親違いの可能性も高いのでポルターガイスト原因になり得る存在。
お隣さんのリモコンに反応してしまう混線騒ぎも現象が人為的なものなのかのミスリードだと思うのだが、ほぼそれらが生かされていない。
霊障や除霊のドタバタに尺を使うよりも人間を疑い始めるスリラー路線に乗せて、結果的に人為的な問題により幽霊が引き起こされたと落ちが着いた方が見応えがあった気がする。

"cuesta verde" 直訳すれば「緑の傾斜」、もっと良い感じにすると「緑の丘」。凄く、墓地っぽい。

スピルバーグは自分で撮るつもりだったが、『E.T.』と時期が被りトビー・フーパーに監督を託すも、結局かなりがっつり関わってしまったらしいのが映像から分かる。良くも悪くも個性のぶつかり合い。良いバランスになっている所もあれば、ぶつかって良さが消し飛んでいる部分もある。
『悪魔のいけにえ』を求めて手を伸ばしたら方向性の違いにがっかりするだろうし、子供向けかというと中々嫌な描写もあり、込められた皮肉も含めてそうでもない。


ながら見をしてしまったので所々見逃しているかもしれないが、きっときちんと観ればもっと当時の時代情勢を散りばめた描写がもっと含まれていると思う。
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