NORA

ゴーストワールドのNORAのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.2
やること成すこと行き当たりばったりなティーンエイジャーのままならねえ日々を描く青春グラフィティ。若き日のスカヨハが出てることで有名だけどダブル主演とかじゃなく、あくまで主人公はソーラ・バーチ演じるイーニドひとりである。このイーニドがまあ自分勝手で後先考えないクソガキであり、周囲は迷惑なことこの上ないのだが、学校からいきなり社会へと放り出された若者特有のもどかしさ、不安、あるいは何者にもなれない強迫めいた感情にひたすら追い立てられているイライラした心情なんかはよく表現されていたように思う。もっとも、映画全体に漂うほんのりした陽気さ、あっけらかんとしたユーモアはやはりアメリカ特有のものであり、湿っぽくてウジウジしている日本のそれとはやはりだいぶ違うようではあり、絶賛本邦陰キャオタクであった自分が十分に共感できるかといえば、いささか怪しいけれども。
俳優志望の同級生とかビデオ屋の店員とか悪魔崇拝者(?)とか車椅子の客とか、妙に印象的な割に特段活躍するでもないモブがいっぱい出てくるのだが、深読みするとしたらこの映画全体がある種の通過儀礼みたいな意味合いなんですかね。さまざまな出会いと失敗を通して彼女が最終的に成長したのかは結局よく分かんないけど、あのラストは素直に”そういう”解釈でいいんじゃないかなあ、と個人的には思います。後味も悪くないし。あ、ブシェミ(シーモア)が他のどの映画のブシェミよりもキュートだったので+0.2点です。
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