タカ

インビジブルのタカのレビュー・感想・評価

インビジブル(2000年製作の映画)
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「神は俺だ」

ポール・ヴァーホーヴェン版の『透明人間』
個人的にポール・ヴァーホーヴェンの印象はエログロ
『ロボコップ』の容赦ない描写と『氷の微笑』の有名シーンの影響かなとは思う
今年公開の『ベネデッタ』観に行きたかったな〜

冒頭から監督の色がビンビン
何者かに掴まれるネズミの体が変形して捕食されるシーンが生々しい
透明になる過程、戻る過程において
筋肉、臓器、骨という各段階が細かく描写されていくのも楽しくかつグロテスク
こんなにじっくり映すかね〜
透明人間の凶行は彼の一人称視点が多くて、ダイナミックな演出は少ないから
CG予算の大部分をこの実験部分にねじ込んでいるんじゃないかと勘繰ってしまう
結局、ここが一番の見せ場ではあると思う

ケヴィン・ベーコンの悪役っぷり
典型的なナルシストで自尊心の塊である学者
姿が見える前半の段階でキャラクター造形がしっかり出来上がっているから、透明になっても彼自身がそこに見えてくる
透明になり尊厳が損なわれ、精神が崩壊していく様がなかなかに面白い
本来的にそういう素質があったのではというバランスが絶妙
数ある欲求の中で圧倒的に色欲に走っていくのは監督の色だと思う
『透明人間』(2019)の神経質な加害より、天才という割に短絡的で直情的な加害が人間らしさを感じさせる

一大スペクタクルのエンディング
後半にかけてアクション映画かのようなスペクタクルに発展していくのが面白い
スリリングになり、死人が増え、生死がかかる展開
ホラー映画のキラーvsサバイバーの構図
それにしてもセバスチャンがタフすぎるやろ
多分、ジェイソンとかマイケルくらいの耐久性がある
こういうジャンル転換も面白いところ

久しぶりに観たけど面白い❗️
"透明人間"題材の映画好きなのかもな〜
タカ

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