桃色

ドランク・モンキー/酔拳の桃色のレビュー・感想・評価

ドランク・モンキー/酔拳(1978年製作の映画)
3.8
ロケちゃんとカンフー・デート
ジャッキー・チェンの23歳の出世作「酔拳」

当時香港の映画って脚本がないと言われてた時代。
本にすると瞬く間に真似っこされるからだと言われてたけど…だからなのか、なるほどというくらいストーリーは単純。
武闘家ウォン・フェイフォン(黄飛鴻)とソウ師匠との熱い修行の物語。
京劇風のカンフー・アクションは舞の如くそしてアクロバティック。

監督は後に「マトリックス」でカンフー指導にあたったユエン・ウーピン。
武術指導では私の好きなジェット・リーの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱」にも関わってる人。
その他、ドニー・イェンも彼が発掘したスターだと言われているね。
タランティーノの「キルビル」やリュック・ベッソン脚本の「ダニーザドック」のにも彼のクレジットがある。
ジャッキー・チェンはこれと一本前の「スネーキーモンキー 蛇拳」でスターに一躍踊りでた記念すべきモンキーシリーズ。
そしてここに登場するソウ師匠役のユエン・シャオティエンは、なんとユエン・ウーピン監督の実父。
この方も香港映画界の初の武術指導として著名な人物。また俳優としても300本以上の映画に出演してるというから驚き!

まぁ、豆知識はこのくらいにして…

主役のウォン・フェイフォン(黄飛鴻)は中国実在の武術家で、医学にも精通し列強の時代に国内の治安維持に努めたという中国の賢人。
日本で例えれば坂本龍馬のような存在だとか。
先述の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」ではジェット・リーが堅実な同人物を演じているね。
ただし、こちら「酔拳」はコメディタッチに仕上げた娯楽映画。
武道の名家に生まれた放蕩息子が素行の悪さからソウ師匠に預けられる。
これまでは強いのか弱いのか…叔母のリンダ・リン・インに倒されるシーンは笑いが止まらない。
彼女の新体操選手のような身体の柔らかさの武闘シーンはやっぱり京劇のようだったわ。

修行中は基本的な体力作りが延々と続くから、不平不満も言いながらもジャッキーの身体能力の高さを見せつける時間。
そのジャッキーの上半身は今時の筋肉とはなんか違うのね。なんだろう筋肉にも流行があるのかな?
どちらかというと盛り上がらない筋肉というか…体脂肪率低めの細マッチョな感じ…う〜ん表現はむずかしいけど…惚れ惚れよ!

「酔八仙拳」は、中国の名高い8仙人のそれぞれ酒に酔った姿を8つの型として表現されてた。
酔拳は酒を飲めば飲むほど強くなるって思ってたけど、実は酔ってるように見せかけ殺気を消して相手を油断させるという拳法。
バック転などの京劇仕込みのアクロバットを併用しながら繰り出される技は早回し?と思うほど圧巻。

最後は父の命を狙う伝説の殺し屋との一騎打ち!

8人中、女性仙人の「何仙姑」の修行を真面目にやらなかったツケが回ってくるんだけど、
師匠の助言を受けフェイフォンは自分独特の何仙姑をあみだすという劇的なストーリーもお約束だったよ。

当時、毎晩鏡の前で「どう動けば面白くかっこよく映るのか」を試行錯誤を重ね酔八仙拳を完成させたというジャッキー。
もうすぐ70歳にも手が届きそうだとか。
本気の意気込みが伝わる作品。よくTVで放映されたね。
懐かしく今回も石丸博也さんの吹き替えで観ちゃたけど、やっぱりジャッキー・チェンは凄かった!

付録:---
「漫画ばっかり読んでないでこの塾のドリルやったら?」
「ママ!もう終わったよ!」
「早いね〜”どう?公文?好き?けん”ちゃん?」
(ドランク・モンキー/酔拳)
お粗末…
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