ばーとん

ダークナイトのばーとんのレビュー・感想・評価

ダークナイト(2008年製作の映画)
3.8
「おれを轢け!」と叫ぶジョーカーを避けて、バットマンが横転する場面で勝負あった感じ。これ、善と悪の戦いの物語なのに、20世紀型の強いアメリカの正義と、21世紀型の弱者の掲げる新しい正義の戦いに見えてくる。権力者VS革命家の図式。ジョーカーの起こすテロリズムには説得力がある。現実世界はブルースのような大資産家が人々の不幸を生み出す元凶だったりするので(パーティ会場にヘリで乗り付けるブルースの無神経さを見よ)ジョーカーは格差の激しいシステムを無効化する戦士のよう。(「混沌の本質は公平だ」とテロルに大義があることが示唆される)こいつの暴力は見ていて心地良い。苦悩を抱えながら悪に翻弄されるバットマンはダサい。弱者こそが強者となり、かつての強者が相対的に弱者となる、現代のパラダイムシフトをゴッサムシティを舞台に描いた。
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