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いのちの子どものcoroのレビュー・感想・評価

いのちの子ども(2010年製作の映画)
3.7
紛争の絶えないイスラエルとパレスチナ。両国の架け橋であるテルアビブ郊外の病院で骨髄移植が必要なパレスチナ人の子供を救うため、民族や宗教を越えて手を差し伸べる人たちの姿が眩しい。

作者の問いに、死は日常であって特別なことじゃない、特別なのはエルサレムだと答える彼女。それを半分に分けてみないかと再び問いかける作者。それでも私たちのエルサレムだと笑顔で返す彼女。それはこれまで無意識のうちに構築されてきた価値観や固定観念というものが言わせる言葉であって、本心は別のところにあるんじゃないかと思う。
彼女は、病と闘い、中傷と闘い、揺らぐ世界観と闘っている。その過酷な現実に気づかずに、彼女を追い詰める両国。
それでも彼方を見つめながら微笑む彼女の開かない口が
許してあげる。
神さまの真似をして許してあげる。
と言っているように見える
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