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いのちの子どものRikiOmaのレビュー・感想・評価

いのちの子ども(2010年製作の映画)
4.0
久々にドキュメンタリーものを鑑賞。

見終わったあとに自分とは全く無縁な別の世界の出来事のような錯覚をした。それほど自分の価値観にはない事実が多すぎた。
まず根本としてパレスチナ問題について、ニュースで名前を見かける程度にしか知らなかった。(自分の常識のなさ、、笑) ユダヤ人とアラブ人の対立の根深さ、複雑さはこの映画を通しても伝わってきた。監督さんはイスラエルのジャーナリスト、患者である子どもの母親はパレスチナの女性。双方に言い分があり、どちらが正しいとは自分には決めつけられなかった。
そして、そんな彼らにとってのエルサレムの重要性もまた、自分にとっては驚くべき点であった。本音と建前があるにせよ、殉教という名の下に勇んで死んでいくことが美徳という考え方がどうしても信じられなかった。
そして映画のメインテーマであるいのちの価値について。1人の命を救うためにイスラエルとパレスチナの人が交流する。その一方で争い合い、一瞬で多くの命が奪われる。「共存」と簡単に言ってしまうには余りに根深い問題であるが、そういった選択をしてほしいものだ。綺麗事に聞こえてしまうが、いのちは尊いものだから。
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