スローモーション男

東京画のスローモーション男のレビュー・感想・評価

東京画(1985年製作の映画)
4.2
 ヴィム・ヴェンダース最新作『Perfect Days』の前に予習として。

ヴェンダースが敬愛する小津安二郎の面影を探して東京へと足を進める。しかし、小津の描いた東京は滅んでしまった…。

意味もないことばかりする日本人。パチンコにゴルフ練習、テレビ、竹の子族、食品サンプル。
なにかの虚像しかないこの街からは本質的な意味を持つものはない。いや、あった。
子供たちは変わらない。小津の映画のように無邪気に駆け回る。

それから小津映画に欠かせない俳優、笠智衆と撮影監督、厚田雄春。
二人との対話によりヴェンダースはこの旅の意義が明確になる。

街は変わっても人は変わっても、変わらないものはある。

自分も小津安二郎の墓参りに行ってみたい。