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哀愁のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

哀愁(1940年製作の映画)
3.9
劇作家ロバート・E・シャーウッド作の舞台劇(Waterloo Bridge)の2度目の映画化で、ロバート・テイラーとヴィヴィアン・リーの美男美女主演による恋愛映画の古典。
監督は「心の旅路」のマーヴィン・ルロイ。
原題:Waterloo Bridge (1940)

1939年9月3日(第二次大戦下、イギリスがドイツに宣戦布告した日)、ロイ・クローニン大佐(ロバート・テイラー)は、ウォータルー橋の上で、お守りのビリケン人形を見つめながら過去を回想する。
時は先の第一次世界大戦下。大尉だったロイは、フランス戦線に出発する前日、ウォータルー橋の上で、バレエの踊り子マイラ(ヴィヴィアン・リー)と出会う。
2人は結婚の約束をするが、式を挙げる前に、ロイは戦地に赴いてしまう。
一方、マイラは見送りに出かけて舞台に穴をあけたため、バレイ団のキローワ女史(マリア・オースペンスカヤ)から、友だちのキティ(ヴァージニア・フィールド)とともに解雇されてしまう…
そんな中、ロイの母マーガレット夫人(ルシル・ワトソン、夫の公爵役はC・オーブリー・スミス)が会いに来るが、待つ間にマイラはロイ戦死の新聞記事を目にする…

「君は健全な娘だ。これを汚しはしない」

レストラン"キャンドルライト・クラブ"で、「別れのワルツ」(「オールド・ラング・サイン」(「蛍の光」はアレンジ))のメロディとともに、演奏の終わりに近づくにつれ、キャンドルの炎を楽団員が少しずつ消していく…モノトーンの幻想的ダンスシーンが美しい。
ヴィヴィアン・リーは、私生活同様、スクリーンでも薄幸のイメージが強い。
彼女は、自身の出演作の中で最も好きな作品であると述べているようだが、個人的にも「風と共に去りぬ」より、(脚本にやや無理な点があるとはいえ)こちらの方(の彼女)が印象深い。 
なお、日本でこの作品をもとに、ウォータルー橋を数寄屋橋に置き換えたラジオ・ドラマと映画「君の名は」が作られ大ヒット。
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