彦次郎

續姿三四郎の彦次郎のレビュー・感想・評価

續姿三四郎(1945年製作の映画)
3.4
柔道家姿三四郎と前作で倒した檜垣源之助の復讐を果たそうとする檜垣鉄心と檜垣源三郎の2兄弟の闘いを描いたスポーツ青春もの。前作の大ヒットから黒澤監督が無理くり作らされた曰く付きの続編。
メインはもちろん檜垣兄弟ですがアメリカボクサーとの異種格闘戦もあり敗戦年に制作されたとは思えない外国人キャストには驚きました。確かに前作に比べると少し迫力がダウンした気もしますがクライマックスの雪山での死闘は前作に伍しております。
個人的にはこの作品はバトルよりも三四郎の成長や優しさにあると思うのですが本作でもバトル後の檜垣兄弟とのやり取りの清々しさが良かったです。
前作のラスボス檜垣源之助が憑き物が落ちたみたいになっておりその弟鉄心が修羅の如く挑んでくるのですが同じ月形龍之介が演じておりキャラクターの使い分けがよく表現されていました。末弟の源三郎だけ別人のため違和感がありますが白塗り顔の紅唇という面相で何をしでかすか分からない狂的さは娯楽(特に漫画)作品のキャラクターにも多少の影響を与えたことが推察されます。
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