翔海

オズの魔法使の翔海のレビュー・感想・評価

オズの魔法使(1939年製作の映画)
3.9
「心なんてあっても実際は脆くて役に立たない。それでも僕は心が欲しいんだ。」

時代が変わっても色褪せない不朽の名作。
1939年に公開され、長いときを経た今でも愛されるファンタジー映画の金字塔。その当時では珍しいテクニカラーで撮影され、冒頭のモノクロから魔法の国に着くタイミングでカラーに切り替わる瞬間は画面越しの観客をもオズの国にいざなう。

原作は1900年に同名の児童文学小説を元に作られた作品であり、子供向けに制作された映画であると思わる。日本でも幼児期や小学生のときにオズの魔法使いを演劇でしたことがある人も少なくないだろう。私はなんの演劇をしたのかも記憶に残っていないが、周りでオズの魔法使いをしていたのは少し覚えている。しかし、オズの魔法使いの内容を知らなかったから今回初めてオズの魔法使いを観た。

子供だけではなく大人にも響く。
魔法使いの国に迷い込んだドロシーは、旅の途中で出会ったカカシと心が欲しいブリキ、勇気が欲しいライオンたちと共に魔法使いを探す旅をする。
特に冒頭に書いたブリキの言葉は、心があれば傷つくこともあるし良いことばかりではないのにブリキは心が欲しいという台詞は大人になったからこそ、考えさせられる。色々なことを経験して、傷つくことに臆病になればなる程に心なんて要らないと思えるのにブリキはそれでも心が欲しいと言う。自分に足りないものばかりに気を取られずに今あるものに感謝することを教えてくれる作品だと思う。

大人になったからこそ、もう一度観るべき作品。
翔海

翔海