けーはち

クレージーモンキー/笑拳のけーはちのレビュー・感想・評価

クレージーモンキー/笑拳(1978年製作の映画)
3.5
ジャッキー・チェンが初めて自らメガホンをとった功夫映画。大枠は巨悪に討たれた祖父の仇を取る類型的な復讐劇だけど、そこに至るまでの前半のギャグ展開(悪党の道場に雇われ、変装や女装を駆使してお尻ペンペンだの椅子を使ったシーソー遊びだの余裕綽々で道場破りの相手を煽りたてて悪ふざけの末に撃退する)が愉快。復讐修行パートに入っても、新たな師父の下での個性豊かな腹筋や体重移動の基礎鍛錬だけでも飽きさせないし、タイトルとなる「笑拳」すなわち喜怒哀楽の感情のエネルギーをぶつけるオリジナルの拳法を編み出して闘うシーンは洪家拳をベースとしつつも酔拳同様不規則で対処しづらい突発的な動きの中に、衝動を表現するその肉体の自由闊達さ、雄弁さがすさまじく感動させられる。