茜

the EYE 【アイ】の茜のレビュー・感想・評価

the EYE 【アイ】(2002年製作の映画)
3.8
角膜移植したら霊が見えるようになった女性。
何となく既視感ある設定だなと思ったらジェシカ・アルバ主演のハリウッドリメイクを先に観てたみたいです。
リメイクは元祖に勝てないの法則に則り、こちらも記憶に残らないリメイクと違って本家の方が圧倒的に面白い。
予想以上に没頭しちゃって「もっと早く観ておけば良かった~」って思ったもん。
「PT」製作時に小島秀夫もこの映画観てインスピレーション受けたとかなんとか。

前半~中盤にかけての映像と音楽の使い方がまさしく恐怖映画のお手本って感じで超絶好み。
病院で出てくる婆さんの気味悪い鳴き声には痺れたなぁ…ありゃ絶対ヘッドホンで脳に響かせた方がいい。
主人公の感情と共鳴するようなBGMも秀逸で、太鼓的な打楽器って本当恐怖心煽りに効果的だよな~って常々思う。
エレベーターに居る顔が潰れた爺さんとか食堂にやってくる舌の長い母子とか映像の気持ち悪さも素晴らしく、モロ見えなのに若干じらしてくるような見せ方の匙加減が絶妙。

後半から徐々にお手本ホラーのレールからは外れて行くんだけども、まさかあんなディザスター展開になろうとは1ミリも予想が付かず。
規模のデカさに若干置いてけぼり食らっちゃったけど、悲哀を含んだラストは割と綺麗におさまってると思う。
ただあの地獄絵図を見せてきた後に「世界は美しい、運命は変えられない」って台詞を吐いちゃうこの映画には別の意味でゾッとする。
茜