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ベラ・ルゴシの 幽霊の館のhorahukiのレビュー・感想・評価

ベラ・ルゴシの 幽霊の館(1941年製作の映画)
3.6
最高に笑えるルゴシの怪演!

Amazonプライムで配信中の多重人格ホラー。行方不明になった奥様が何故か毎晩のように窓の外に現れる。それを見ると自分の中に眠っていた殺人鬼の人格が覚醒!🙄屋敷にいる誰かをヨタヨタ歩きで殺しにいくイカれたルゴシを愛でるためのルゴシ映画。他作品にも増してルゴシの顔芸を堪能できる楽しいやつ!

奥様が不倫→不倫相手と車で逃走中に事故→奥様行方不明に。でも実は記憶喪失になり近くの家で匿われていた。その奥様がフラフラとルゴシ邸にやってくるもんだから、それ見て狂っちゃうといういつもの可哀想なルゴシ…😭

しかもルゴシの娘も婚約者に浮気されていて浮気されちゃう体質は遺伝するのか…と悲しくなったけど、行方不明の奥様をずっと待ち続けてるルゴシと違って、速攻で立ち直る娘さんのメンタルの強さがサイコーすぎて笑った🤣

表面的物語としては奥様の健在が前提になっているのだけど、奥様のラストの顛末から考えても『恐怖の足跡』のように主題的に生かされているだけで、あくまでもルゴシの主観投影としての心的表現の顕在化としての意図を感じる。

それがルゴシの屋敷と奥様の位置関係に現れているし、窓の下に現れる奥様をルゴシが見下ろす構図は同じくローリーの主観投影としてマイケルを配置した『ハロウィン』に受け継がれているように感じる。そしてブルックナー『The Night House』は本作から根幹部分を含めてかなりの部分を引用しているのではないかと感じた。

ラストのあっさりとした幕切れも、ルゴシが自身の心の中に抑圧を取り払う心的治療過程でしかなく、その寓話として面白いと感じたなかなかの良作👍👍
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