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パッションのマーチのレビュー・感想・評価

パッション(2004年製作の映画)
3.6
《★繊細!丁寧!色男!“監督” メル・ギブソン特集 〜俺のゴア描写に付いて来い!篇〜》
最新作『ハクソー・リッジ』公開ということで、“監督”メル・ギブソン特集です。

特にゴア描写が目覚ましい3作品をピックアップし、3作全て寸評ではなく通常レビューでお送りします♪(´ε` )

特集は今作がラストです。半端じゃない衝撃作、『パッション』で幕切れです!
よく考えたらこの特集、メルギブ作品を遡ってますね〜逆流しています……笑


【レビュー:第3弾『パッション』】
《傷口に塩を塗る鬱映画》
久しぶりに、キツ過ぎて途中で観るのやめようかと思いました……

✍️レビュー書く時って、どんどん作品の内容思い出したり、意外なポイントを好きで記憶していたりとか、そういうところが楽しくて綴っている面もあるのですが、それが最も仇となり、“記憶”というシステム自体を憎みたくなる大変陰鬱な映画に出会ってしまいました…

皆さんのレビューで後から〈死人が出た問題作〉だとか〈過激な作品〉であるとか知ったので、観る前は「キリスト最後の12時間か…ヘぇ〜〜!『ハクソー・リッジ』鑑賞後のメルギブ監督特集組めるし、歴史勉強にもなるから丁度良いな〜(●´ω`●)」なんて軽い気持ちでレンタルしたのですが、鑑賞後に凡ゆる角度からパンチを🤛ぶち込まれたような感覚を受け、かなりグッタリしました…

こんなことあっていいんでしょうかね…大衆を扇動する者は殺人犯より重刑として扱われる時代だった訳ですからね…後々ヒトラーが誕生することを考えると確かに大衆扇動もかなりの脅威と言えますが、それとこれとはまた比較対象が違うので安直な比較ではあります。そういう意味では罰する気持ちが分からないでもない…しかし、イエスは小規模ですし、王が罰する理由を見つけられなかったと言ってる手前おさまってくれよ〜と思うのですが、目の色変えて血走った精神を秘めた民衆の前には王すらも屈す…野蛮だなと思いました。鞭打ち連発しながら笑い転げてるんですからね…ほんと勘弁して欲しい。鞭打ちされ過ぎて、皮膚が爛れ、皮が捲り上がってる中に飛ぶ血飛沫…スプラッター作品と違って、それを前提とした作品でないからこその怖さと卑劣さ、現実的な面での救われなさが、ぶわっと通り過ぎていくので何度も目を背けたくなる。

こちらの作品の方が先ですが、『アポカリプト』同様に歴史的な説明は一切無いし、ローテンポで奇をてらった見せ方もなくただ淡々と進んでいることにフラストレーションを感じつつも、観続けていたら痛々しい拷問のオンパレードがしばらく続くのである意味引き付けられましたが、その胸クソの悪さにまたフラストレーションが溜まり、前半フラスト+拷問胸クソフラスト=ストレス へと転換されていました…トラウマ映画と言っても過言ではないでしょう。かなりのストレスと鬱要素を秘めています! また、拷問されている息子を追いかけ、見守り続ける母マリアと信者たちの表情がより一層悲惨さを際立たせ、不条理を印象付けている。悪人たちも終始悪人で良いところが1つも無いので、安心して胸クソを味わえます…全然そんなことで安心したくないっ(๑•ૅㅁ•๑)ノ!!

しかし、それだけで終わらないのが “監督” メル・ギブソン👍 拷問の中でイエスが耐え続けていることの意味、一切逃げ出さず祈り続けることの表す強さ、そしてラストに訪れる天からの報復とイエスが伝説になった瞬間。
前半で止めずに最後まで見続けて、良かったなと思いました。

人間の尊厳とか、命の尊さとか、そういう意味では救われなかったにしろ、作品としては凄く救われた結末だっと思います。

ただ説明は必要だなと感じる部分と、この上なく暗い気分になることは否めない作品でした。

〈拷問酷かった!!
はい、胸クソだからダメー🙅‍♂️👎〉
ではなくて、
その裏にある意味を読み取って欲しい作品であると共に、それが分かれば熱心なキリスト教信者であるメルギブが私財投げ打ってまで、自ら監督した意味が分かるのではないでしょうか。

作品としては非常に優秀だと感じましたが、もう観ることはないです。

【p.s.】
《傷口に塩を塗る鬱映画》というレビュー題がこの作品を貶しているように感じるかもしれませんが、私はこの作品を高く評価している方ですよ!!

作りとしての甘さや説明過小な部分もありますが、作品の裏紐解き映画シリーズとしては議論の余地がある重厚な作品だったと思います…俳優陣の演技も凄まじかった。

しかし、それにしても痛い…
痛いったらありゃしない!

メルギブ先生、ドS過ぎっ😡!!!!!

しかも今はこの続編を構想中だとか…選りに選って、この作品の続編かぁ〜〜、
さてどうなる((((;゚Д゚)))))))!!

*同じ痛みを共有した方とこれから共有するであろう方のコメントお待ちしております。


【映画情報】
上映時間:127分
2004年 アメリカ🇺🇸 イタリア🇮🇹/監督・脚本 メル・ギブソン/脚本 ベネディクト・フィッツジェラルド/キャスト ジム・カヴィーゼル/モニカ・ベルッチ/マヤ・モルゲンステルン/世界中で大論争を巻き起こす一方、全米初登場第1位の大ヒットを記録した衝撃作。監督メル・ギブソンが私財2500万ドル、構想12年を費やし、イエス・キリストの最後の12時間と復活を描く/紀元前1世紀のエルサレム。十二使徒の1人であるユダの裏切りによって大司祭カイアファの兵に捕らえられたイエスは、救世主を主張する冒涜者として拷問され始める。
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