『水俣曼荼羅』の予習もかねて名古屋シネマテークで。
本当は『水俣 患者さんとその世界』を観たかったのだが、大学の講義で観に行けず断念…。
水俣病の被害者たちが、有毒水銀を流した会社チッソの社長たちに、賠償金を求めるために立ち上がる。
チッソの本社内に居座り、社長に怒りをぶつける108分。
怒号!怒号!怒号!
熊本弁でまくし立てる人々。認めるまで居座り続ける。彼らの本気の姿がある。
今回分かったのは、水俣病の訴えをしている人たちはいくつかの派閥の一派であること。チッソが賠償金を支払うからといって金を貰って黙った人もいるのだ。
『ゆきゆきて、進軍』にも通じる映画。チッソの社長はまったく認めようとしない。自己防衛のため、無視し続ける。
訴える人のなかには症状が悪化している人たちもいたし、訴えるために家族を犠牲にした人もいる。それでも相手に問い詰める。
この映画では結局、決着がつかずに終わってしまった。水俣病の被害者に対する賠償金や患者認定は未だに問題になっている。それが『水俣曼荼羅』と繋がると思うと公害の恐ろしさを感じる…。