ゴン吉

地球の静止する日のゴン吉のレビュー・感想・評価

地球の静止する日(1951年製作の映画)
4.0
地球へ平和的警告にやってきた宇宙人のSF作品。
マイケル・レニーが主演、パトリシア・ニールがヒロインを演じ、ビリー・グレイが子役を演じる。 

高速で地球を周回中の巨大な未確認物体が世界各地で目撃される。
その飛行物体はアメリカのワシントンDCに着陸し、中から人型の宇宙人(マイケル・レニー)が現れ、外見は白人で英語の会話や筆記もでき、和平的な話し合いを申しでて核兵器の廃棄を要求する。
しかし恐怖で理性を失ったアメリカの兵士が宇宙人を銃で撃ってしまう。
負傷した宇宙人は病院に運ばれ、肉体的にも地球人と変わらぬことがわかるが、自分で傷を治して勝手に病院を出ていってしまう.....

本作品はSF映画の金字塔的な存在で、そのタイトルは庵野監督の「新世紀エヴァンゲリオン」のサブタイトルにもオマージュとして使われたり、キアヌ・リーブス主演のリメイク作品「地球が静止する日」(2008年)が制作されたほど有名です。
4億キロ離れた惑星からやってきた宇宙人。宇宙人の情報を流して有名になろうとする者や、勝手に部屋から宝石を持ち去る者など欲と業に満ちた地球人に警告する。
宇宙人のマスコミへのインタビューの発言が重いです。
「怖いのは皆が理性を失いただ恐れることです」 
戦争未亡人やアーリントン国立墓地など戦争犠牲者の象徴を淡々と描きながらも米ソ東西冷戦時代の核兵器に対して警鐘をならしており、制作者のメッセージが伝わってくる。
作品公開当時としては宇宙船の出入り口や内部、ロボットなどのデザインが興味深く、今日の作品にも影響を与えるのがよくわかる。
果たして地球と地球人の運命は如何に?
「選択肢は2つだ 仲間となり平和に暮らすか 今の道を進み滅亡に直面するか 我々は答えを待っている 決断を下すのは諸君だ」

2023.4 NHK BSP で鑑賞(字幕:風間綾平)
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