あつぼう

ブリッジのあつぼうのレビュー・感想・評価

ブリッジ(2006年製作の映画)
2.5
美しく荘厳なフォルムで見るものを魅了するサンフランシスコの巨大吊り橋“ゴールデンゲートブリッジ”。アメリカを代表する観光名所として知られるこの橋は、自殺の名所という暗いもう一つの顔を持っていた。本作は1年間に渡って橋の両岸にカメラを据え、自殺を図る人々の姿を捉えるとともに、かつてそこで自殺した人の遺族や友人へのインタビューを通して命を巡る様々な問題を問いかける衝撃の社会派ドキュメンタリー。センセーショナルな題材が各地で賛否両論の論争を巻き起こした問題作。
この映画の凄いところは、自殺する人をカメラに収めてるだけでなく、その遺族にインタビューをしてる事です。悲しみをこらえながらも自殺した人の思い出を話すのですが共感しにくいです。
何度も自殺を試みて失敗し、最終的にこのゴールデンゲートブリッジから投身自殺した人もいてたけど、結局自殺するって人を止めるにはどこかに隔離するしか方法がないのかも。
インタビューで自殺した男性のおばあちゃんが、なんども自殺を試みる孫に「もし自殺をするなら私の電話番号を書いた紙を胸のポケットに入れておいて」って言うシーンがあるんですが、正直凄くショックを受けました。もっと救う方法があったのでは?簡単に諦めすぎでは?って思ったけど、この映画を最後までみてると安易な事は言えなくなりました。いつか自殺するかもしれないという不安を抱えて生きてる家族もいてたので、その人たちにとっては毎日が不安の連続やったでしょうね。自殺をしたのは悲しいけど、ある意味、家族は開放されたのかなとも思ってしまいました。
自殺した人の思い出話で一番多かったのが、自殺した人の病歴です。
通院していたって人や、カウンセラーに相談してた人、そして自分の鬱病が治らないと悲観的になる人、いかにもそういう人は自殺する傾向にあるって描き方もちょっと疑問が残りました。頑張って立ち直ってる人もいてるからもう少し違った角度から描いてほしかったです。
自殺というものを考えさせられる映画なんですが、オススメは出来ません。観終わった後の不快感は個人差があるでしょうね。
あつぼう

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