Rio

トウキョウソナタのRioのレビュー・感想・評価

トウキョウソナタ(2008年製作の映画)
4.0
カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞
アジア版アカデミー賞「アジア・フィルム・アワード」作品賞、脚本賞
など数多くの賞を受賞した作品

平凡な4人家族、佐々木家の物語

医療機関メーカータニタで総務課長をしている父、竜平46歳(香川照之)
突然リストラされた
(あっさり長年勤めてきた人を解雇しちゃうような企業設定で、タニタよくOKしたな!!会社のイメージ悪くならん!?と思ったw)
家族には言えない、、、
翌日も通勤を装いスーツ姿で家を出て、行く宛もなく公園へ、、、

不穏な空気
徐々に徐々に蝕まれてくような感覚
ぞわぞわ、、、

2人の子供たちにもそれぞれ秘密があり、家族がバラバラになっていく、、、

次男役の子役は井之脇海さん
(幼いけど顔が今と全然変わらない!)
子供たちは、なかなかアグレッシブ!

子供に
「俺の価値観を無理にでも押し付ける」
親の権威を振りかざす、支配的な父親
何かできるか?得意なことは?と聞かれたら答えられない
偉そうな事を言うが何もない父親
大企業に勤めていたというプライドだけはある

つぶれちゃえ、そんな権威

「なんで俺とお前の子が天才児なんだよ?」
子供の可能性を否定するとともに、自分や妻の価値すら否定している
香川さんのクズ親父の鋭い目◎

父の友人、津田寛治さんが演じる黒須には驚かされっぱなしだった!!
「行っちゃったんだよ 救命ボート」
インパクト大のキャラクター黒須!
ここは見どころ!!

黒須の娘役の子役が土屋太鳳ちゃん!

度々出てくる食事のシーン
家族で囲む食卓に「幸せ」が全く感じられない

母親役の小泉今日子さん
専業主婦の恵
家族のために良い妻、良い母に疲れてる
誰にも見てもらえない虚しさ、孤独
冷めきった夫婦関係
崩壊寸前の家庭
「誰かわたしをひっぱって」と宙に手を伸ばす

これまでの人生が夢だったらどんなにいいだろう

どうやったらやり直せる?
やり直したい、、、

役所さん登場で、黒沢映画感が増す◎
児嶋さんも、でんでんさんもめっちゃよかったぁ〜
みんな裏の顔がある、、、

音楽もグッとくる
海辺の朝のシーンの音楽!そのセンス!
「月の光」は希望の光
聴き入ったよ!!

薄暗い家の中でヒラヒラと新聞紙が揺れる、風がビューっと吹く音、チカチカと差し込む光、たびたび感じるホラー感
うなされるシーンや、階段からちらり覗く太鳳ちゃんも不気味で黒沢監督らしい演出がとてもよかった◎

黒沢清監督たまに難解すぎて
なんで?どゆこと??
って疑問が残る作品もあるが(「カリスマ」は超難解)本作はどストレートに伝わる作品だった☆

赤いネクタイ
赤いスポーツカー
家族が集合した時はみんな赤い服を着ている
赤に何を込めてるかを考えてみる
Rio

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