BALLAD 名もなき恋のうたのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

「クレヨンしんちゃん」の劇場版シリーズ第10作目である『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』を原案に制作された恋愛映画である本作は、天正二年の春日の国を舞台に、"鬼の井尻"の異名を持つ井尻又兵衛と、又兵衛の幼馴染で春日の国の姫である廉姫との切ない恋愛模様を描きつつ、ひょんなことから戦国時代へ迷い込んでしまった少年・川上真一が、又兵衛や廉姫との交流を重ねて成長していく様も映し出され、原作との相違点は多々見られるものの気軽に楽しめる作品となっていますし、草彅剛や新垣結衣をはじめとしたキャスト陣も心惹かれるものがあり、alanが歌う主題歌「BALLAD ～名もなき恋のうた～」や山崎貴監督作品らしさが感じられる映像もまた印象的でした。ただ、本作はあくまでも原作のアニメ映画を原案としたものなので比較して視聴すれば見劣りするのは当然だとは思いますし、井尻又兵衛を演じた草彅剛の演技やぎこちない殺陣がどうも気になってしまう。又兵衛が息絶える終盤のシーンも真一と廉姫以外は立ち尽くすばかりで一辺倒なリアクションに味気無さを感じてしまいましたし、面白いことには面白いのだが、期待して観るとまでは及ばない作品ではないでしょうか。原作の素晴らしさを改めて知ることが出来たので観る価値は大いにありましたけどね。