カント

9000マイルの約束のカントのレビュー・感想・評価

9000マイルの約束(2001年製作の映画)
4.5
シベリア抑留から逃亡するロード・ムービー💡地球1周が25000マイルなので、およそ地球の3分の1の距離を歩いて踏破した事になる。

✏ドイツ軍中尉クレメンス・フィレル。1945年7月に移送されたのはシベリアの端、ベーリング海に面したデジネフ岬の強制労働収容所。

鉛の採掘飛粉で、肺を侵される仲間達。クレメンスは技術者として発電機を修理するものの語学力、技術力ゆえに目を付けられてしまう。
1度目の脱走では無計画で即捕縛。連帯責任で5日間も飯抜きの仲間からリンチ。

セクシーなイワノア女医を補佐するシュタウファー老医師は、クレメンスの逃亡を物心両面でサポート。
▼1人ぼっちの映画は数あれど…トムハンクスの「キャストアウェイ」等でもバレーボールの友ウィルソン君が重要だった。
シュタウファー老医師はクレメンスに「樹木でも良いから話しかけろ」と。クレメンス逃亡の際、厳寒のシベリアに立つ小さな樹木を愛おしく抱きしめるクレメンスが印象的。

生きる意欲をギリギリ保ち、雪原に迷い…見つけた足跡が自分のモノだった時の絶望感(T_T)
そして満天のオーロラ✨✨✨
哀楽の落差、激しすぎ。

金鉱泥棒セミオンとアナスタス。
遊牧民イリーナ。
ナチスから逃げてきたユダヤ人。
ロード・ムービーならではの出会いのドラマも素晴らしい。

▼シベリア抑留を描いた映画は数少ないので、有意義な映画でした。
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