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偶然のhrdのレビュー・感想・評価

偶然(1982年製作の映画)
4.0
 冒頭に脈絡のない映像が断片的に流れる、病院で血だらけのまま引きずられる人、引っ越すために別れを告げる少年など。50分、40分、30分みたいな感じで男がワルシャワ行きの電車に乗れるか、止められるか、諦めるかで分岐点となり、3種類の展開が用意されている。均等分割ではなく、徐々に短くなっていくので、飽きないで観れる。別に三つしかない訳ではなく、無数に展開されていく可能性がある中で、時間とか尺とか飽きずに見れる限界の三つで構成されている。
 列車のシーン以前でも所々違っていて、ビールを持った人が華麗に避ける、ぶつかってこぼす、何とか避けると言った感じだったり、老婦人に謝る、謝らないと言った感じで、伏線がはられている。
 
 一つ目は、共産主義に傾倒していき、二つ目は反体制派に、三つ目はどっちにも属しない。列車と男の関係性とシンクロしているのが面白い。結局どれでも同じ日時にパリから飛び立ち、飛行機が爆破して死ぬ運命になる。
 最後の方になってくると、別軸で登場した人が登場する、学部長の息子だったり、共産主義で自白した男とか。見てた時は、普通だなぁと思ったけど、見終わった後に色々考えてたら、凄い面白い作品だなと虜になった。
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