ルサチマ

美しきセルジュのルサチマのレビュー・感想・評価

美しきセルジュ(1957年製作の映画)
4.2
バルトが若きシャブロルの才能を評価しつつも、物語の真理の描きこみ方を徹底的に批判した批評は学生時代に読んだあらゆる批評の中でもとりわけ刺激を与えてくれたものだったし、久しぶりに再読してその批評に込められた熱は未だ有効だと思えた。物事への寛大さを疑いつつ、映画の形式に回収されることなく、対象をどれだけ煮詰められるか。そこの視線を失った途端、描かれるものは制作の規模を問わずひたすら縮小してしまうし、最近の映画の乏しさはそこに由来してると思われる。
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