《“とある”芸能事務所に思いを寄せて》Vol.17
ニンッ!ニンッ!
『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』。
16年前。当時、結構話題になってた。
結局今回初めて観たけど、近年のアニメの実写化の走りみたいな作品、かな、、、。
原作は藤子不二雄A先生。1964年〜。
つまり、連載から50年の時を経て実写化。
Wikiったら、ハットリくんはA先生の作品の中で1番のお気に入り、らしい。
この作品、当時もいわゆる“コケて”しまった作品。Filmarksの評点も高くない。
なんだけど、観てみたらそんなに言うほど悪くないんじゃないか、な〜。
そもそもこれを実写化すること自体が狂気の沙汰なわけで。それを形にしたわけで。
原作もストーリー性重視というより、ギャグと忍術紹介要素も多々あった、、、気がする。
本作も前半の香取慎吾が「ニンニン!」とか言って、すっとぼけた表情に危うく脱落しかけるけど、元々のアニメの調子を思えば、それもそれ。
そして、後半のケン一氏を守るための“掟破り”。
これがそこそこずしっと来る。それなりに忍びの心得の重みを作ってる、、、すっとぼけた顔で。
そして、何なの、このキャストの濃さ。
香取慎吾、ゴリ、宇梶剛士、東幹久、戸田恵子、浅野和之、伊東四郎、升毅、田中玲奈、乙葉、大杉漣、西村雅彦、ツヨポンもいた、、、『HERO』と同じ監督だから、田中要次、、、も。
そして、なに、このケン一氏、知念くん、なの?え?、、、えー!!
と、ハットリくんのぶっ飛んだ実写化に対応すべく敷いた特殊豪華キャストシフト。
ぶっちゃけそれでも足りてないけど、少しでもハットリくんを「葉を隠すなら森の中」的な、全体的にぶっ飛び偏差値を上げて、少しでも浮かないように頑張ってることが伺える。
親子で一緒に観る、と言う意味でも悪くないんじゃないかな、と。
ハットリくんは伊賀もの。そして、伊賀ものも数が減り、存続の危機。
一方、甲賀ものは、忍びを捨てて、大都会の生活に紛れており、数もいる、と。
そんな、伊賀と甲賀の忍びが拮抗する話とかあったんだな。
どうしたって見た目に持っていかれるけど、110分ぐらいで、忍び同士のいざこざ、謎の殺人事件、ケン一氏の成長、盲目のお姉さんとの出会い、と実は話題がてんこ盛り。
これらをなんやかんやと、おふざけあり、ドラマあり、途中多少のパワープレイあり、ほろっとくる絆あり。
騒がしく、基本は勢いで走る中でもそれなりに中身もあった、という意外性で、案外言うほど悪くないかもしれない。