エリ

乾いた花のエリのレビュー・感想・評価

乾いた花(1964年製作の映画)
5.0
以下、鑑賞直後に興奮しながら打った文を貼付。
我ながら文字数にドン引き...( ̄▽ ̄;)

2018年(昨年)1作目コレ観て良かったァァ!!!!!とめちゃくちゃ噛み締めた作品です。もうほんっっと、超大好き。

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まず加賀まりこさまのファッションチェック!ハイ!!まつ毛の先までカワイイ〜〜( ˇωˇ )
ビシッとセットした髪も、ボサボサのみだれ髪もどっちもカワイイよ〜〜〜!!

何パターンかのハンドバッグ、広いつばの帽子。
首のだぼっとしたセーター。
左手に黒光りする太めのバングル。
艶々と輝くネイル。
モノクロの世界に映えるそれらは何色なのかな、と想像を掻き立てられる。

毎度言ってる気がするけど、小さいお顔、大きな黒目、愛らしい唇...可愛さが完璧すぎる!

対するエキストラの女性たちは完璧な日本女性のお顔立ち。まりこさまが際立つ妙な異世界感があって良いなぁ〜と思った。

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ヤクザ、まるで『からっぽの宝石箱(予告テロップより)』のような若い女、賭博場。

花札のシーンが出てくる出てくる!その早口の掛け声?にもびっくりしつつ、見たことの無い世界にワクワク。

現代より建物が低い、古い街並み。
いくらでも泥棒に入られそうな家や店も愛おしい。w

主人公の部屋の、ボロボロの黒い壁と黒い椅子が印象的で......
灯りがついた瞬間「拷問部屋!?(`;ω;´)」ってビックリしたワイ!ww
そのテーブルとベッドと箪笥しかないシンプルさ!いいわ〜...

ホント「いいわ〜」って思うのってそういう所で、
「あ、このシーンだと次はケータイで電話......をかけないね!w(時は昭和)」ってなる作りが心地良い。

黒電話が鳴ったり、傷だらけの公衆電話でやり取りしたり。

着てる服とか靴も「あら素敵な仕立てで...」と言いたくなるような雰囲気があって、手帳に住所を書いてもらうシーンとかちょっとキュンとするよね…。
そんなグイグイ来るフェチな部分やツボが多くて窒息しそうだった。

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まりこさまが主人公の家に上がり込んで、無造作に脱いだサンダルを手元に置いて、ゴロッとしながら花札をするシーンも好き。

あとボロッボロの、ほんっっっと笑っちゃうくらいボロッッッッッボロの屋台のおでん屋さん!!!
行きたすぎるだろ〜〜〜!!!!!
(引きの画になった時、ボロッ......っとよろめいて傾いてる感じがしてなお愛しかったわ!ww)

古い作品を観る度思うけど、『男女の距離感がほどよく近い』楽しさがある。
全然いやらしさがなくて無邪気な感じなのがいい。
なお、いやらしいシーンはどんなに短くてもぬかりなく濃厚な気がするw


●●●●一番笑ったとこ

鑑賞後にみた予告編、とにかく秀逸すぎたので省略しながら雰囲気をご紹介。

※以下のテロップが浮き上がる仕様なんだけど、その大袈裟さだけで笑ってしまった。
効果音は想像力を爆上げするためのイメージです。


「賭ける」ズドォォォォン ←ここで既に笑う

「その行為の中に」ズゴゴゴゴ
「きらめき渡る」
「生命の火花」ダーーーーン

「それを追い求めて」......

「二人は向う」ドーーーーーーーーーン
「夜の底の 黒い祭典の中へ」 ←オシャレに聞こえるけど賭博場\(^o^)/

「賭ける」
「賭ける」
\\\\賭ける//// ンゴゴゴゴゴ

「この緊張」←この時おじさんのまずそうな顔が映し出されモチ笑う

「このエクスタシー」←粋なカタカナに吹き出す

「ここで二人はつながっている」ドォォォン

みたいな感じで、その後は寡黙な主人公の心情がご丁寧にテロップ説明されて、
鑑賞者も主人公も思わず「ちょっと待った!!ww」と言いたくなる仕上がりだった気がする...予告で補完出来ちゃうがな!w

そんなこんなで予告作った人に思わず「ありがとな...!」と仁義を切りながらDVD停止するくらい、メチャクソ笑ったわ...
いやコレ冷静ないま読むと「何がそんなおかしいんじゃ」って感じなんだけど...(*´・ω・)(・ω・`*)ネーー

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昔ながらの、「終」ダーーーーーーーン!!!!
の完結具合も良かった。

そこで終わっちゃうのかよォォォォ!!!?な展開にポカーンとしたけど、何とも言えない余韻がずっと残る。

音楽はほぼない進みなんだけど、主人公の高揚と共にオペラがかかるシーン。
その熱さといったら!こっちまで昂ってウルッと来ちまったわよ。

あっちこっち、建物もモノも、出てくる人でさえもみんな何かボロボロなのに、そんな音楽が溶け込んだ時に「あぁ、なんだか美しい作品だったな」と思わず頷いてしまう。

うわべをサラサラなぞるようなストーリーなのに、妙にガツンとインパクトがあって楽しくないけどずっっっと楽しい、そんな作品だった。
自分の中の、好きの感覚がまた広がった気がした。

それにしてもこの時代、男の人が早口で聞き取れない時があるんだけど、主人公が放った「飢(かつ)える」という響き。何だか凄く心に刺さったな。
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