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キー・ラーゴのYAZのレビュー・感想・評価

キー・ラーゴ(1948年製作の映画)
4.0
ボギーとバコールの観る④

監督 ジョン・ヒューストン
フロリダ半島先端の島にある
ホテル舞台の密室劇

また観るです
ボギー退役軍人で戦死した部下の父と妻
が営むホテルを訪ねるが宿泊者にかつて
シカゴ根城にしたギャングの超大物が。
バコールは未亡人です

戯曲の映画化らしくほぼホテル内での一
日のドラマ。キューバへの逃亡を計画し
てるギャングが逃げるまで宿泊客を人質
に取る感じの会話劇かな?終盤の終盤に
はアクションありますけど

これはエドワード・G・ロビンソンであ
ります。ボギーと善悪の関係の様で最後
は当然な最後でボギーが持ってゆくけど
ボギーもバコールも脇に置いてのロビン
ソンの映画だな~の印象は初見時と変わ
らず。極悪感満載の登場シーン、バコー
ルへ送る視線と謎の囁き、容赦なく銃撃
ちまくる。圧倒的な存在感

そんなロビンソンも過去の男である意味
では敗北者。ボギーも勲章貰ってる退役
軍人ですが戦争の傷痕なのか内に籠って
る所がある。ギャングの情婦で歌手とし
て成功出来なかった酔いどれ女

人生の挫折者たちがアメリカ最南端の小
さな島に集まる訳ですが挫折者だけに
善悪の対立ではあるけど全体に流れる陰
な空気はなかなか良いです

ボギーとバコールは今回も恋する二人で
すが心に傷を抱えるボギーを結果的には
バコールが救うというのは今までとは違
った関係性かも。バコールも夫を亡くし
てるのにね。強くて可愛い女性です

ボギーが訪ねて間もなく二人で屋外に出
るシーンが。並んで歩く白いシャツの二
人。バコールがほんの一瞬ボギーに送る
視線。この時、既に恋に落ちてたのかも
しれないかもの素敵なシーンでした
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