本作はグルジア映画いの旅と言う書籍を読んだ際に紹介されていた作品で、この度探したら日本ではビデオでしか発売されておらず、廃盤のビデオを購入した初見したが素晴らしい。グルジアで恋をした英国人電子技師の死に秘められた謎を愛のロビンソンクルーソーの冒険とファンタジー風に描いた女性監督の作品で、ビデオには彼女の短編ソポトへの旅も収録されていた。なんとも初々しいロマンチズム、過去と現在が交差する構成とソ連映画に対する偏見と女性監督映画に対する偏見が見事に映された1本で、イギリス人技師クリストファーと赤軍リーダーであるネストルとの国境越えた奇妙な友情と、クリストファーと美女の恋が、ノスタルジックに描かれている。グルジアの清冽な空気が伝わってくるような映像、エキセントリックな魅力のキャラクターたちが目に焼きつく。この作品バウシリーズのフランス映画社提供のためほとんど円盤化される見込みは無いだろう。
