ブタペスト保健局所属の解剖医ヤノーシュの日々の勤めを追うドキュメンタリー。誠実な職務についてのドキュメントをモンド映画扱いにしてしまうのは気がひけるけれど、職務中の死体解剖の映像を隠さずに映す以上"ショッキングなドキュメンタリー映画"である事は間違いないし、こちらもそれを期待してしまうという点ではやはり"モンド"ものであります。
死体解剖医の"世界"ー確かに気になります。が!大写しで脳髄を観たかった訳ではない!そこは全力でスルー!
と、視線を逸らしつつも"九相図"の一つを見せつけられたようなもので、その意味では私にある何かを突き付けてくれる映像でありました。
一応主役は死体解剖医であるヤノーシュ。彼の家族やプライベート、休日の過ごし方、宗教観、恋愛観などが淡々と語られます。仕事について面白かったのは、チップを受ける事があるとのこと。チップという文化自体個人的にはそもそも意味不明だけど、確かに受け取るのに戸惑う気がしますね。
なおカメラワークについてはかなりセッティングして撮影されているのがやや気にかかるところ。