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名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)のytのレビュー・感想・評価

3.3
シリーズ第15作目。本作からは今まで監督を務めてきた山本監督が総監督に、監督には北斗の拳でも知られる静野孔文が就任。7作目以来の監督2人体制に、ゴールデンウィーク時期公開にも関わらず、シリーズ初の冬の雪国がメインの作品になっている。本作も第35回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞している。

[あらすじ]
→ 都知事に対する脅迫状が届き、地下鉄のトンネルが爆破される。コナンの推理と対策をめぐらせ、奇跡的に被害者は出ずに済んだ。知事が国土交通大臣だった頃に建設したダムの関係者が怪しいと睨んだコナンは、ダムのある大雪原へと調査に向かい……。

[レビュー]
・正直レビュー通りの駄作と言っていい。映画にリアリティを求めたり、原作に絡んでるか、なんてそんな事は聞いてない。単純に物語、構成共々期待値以下だった。冒頭シーンで大迫力な地下鉄爆破シーンがある。その時点で盛り上がりは最高潮、本作も神作かと思えたら、気付くと作品が終了。個人的に1番の見どころは冒頭に留まってしまった。後半も緊迫感のある推理とアクションを期待していただけに残念。

・肝心のコナンの推理劇もイマイチ。というか犯人が誰だかある程度予想がつく内容で進行するし、動機も酷いため尚更微妙と感じてしまう。前作同様に、そんな動機で大都市を巻き込むとは猟奇極まりない。狭間に入る少年探偵団の友情シーンは、コナンの言葉こそ名言だから良いものの、実際には子どもたちが身勝手すぎる。とにかく少年探偵団がキツかった。

・良い点をあげるとしたら、作中の北ノ沢ダムが上手い具合に黒部ダムに寄せて作られていることや、ラストシーンのコナンのアクションだろう。ラストは有り得ないと分かっていながら見入ってしまう迫力がある。流石静野孔文監督なだけあるね。

・もう1つ気になったのが、中盤に出てくる渡部陽一が渡部陽一すぎること。まんま過ぎて笑ってしまった。意外にもキャラとマッチしていたのでそこまで酷くはなかった。少なくとも漆黒の追跡者の時のDAIGOよりは100倍マシである。

👉コナン映画にしては少々不発に終わったであろう作品。監督が2人に切り替わっただけあって、推理とアクション共々迫力かつ繊細なものが観たかった。正直これが日本アカデミー賞を取っているというのは、当時のアニメーション業界がどれだけだったのか物語っていると言っても過言では無い。
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