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塔の上のラプンツェルのkuuのレビュー・感想・評価

塔の上のラプンツェル(2010年製作の映画)
3.8
『塔の上のラプンツェル』
原題 Tangled.
映倫区分 G.
製作年 2010年。上映時間 92分。

グリム童話の『ラプンツェル(髪長姫)』を映画化した、ウォルト・ディズニー・スタジオの長編アニメ第50作。

逃亡中の盗賊フリン・ライダーは、山奥の谷にそびえ立つ高い塔を見つける。
好奇心から塔に入ったフリンは、髪が驚くほど長い不思議な少女ラプンツェルと出会う。
彼女は18年間、塔の中だけで生活してきたがフリンとともに外の世界へ冒険の旅に出ることになる。

金曜ロードショーにて、昨夜放送にて視聴。

『ディズニー・ルネッサンス』て云われてる時代がある。
馴染みのない方もいるかもしれないし、小生も今作品を見たあと、ディズニー関連のコラムで知った。
1989年の『リトル・マーメイド』に始まり、
1999年の『ターザン』まで、一種のディズニー黄金時代であったそうな。
この10年間は、ほとんどが、当時ディズニー・チャンネルやトゥーン・ディズニー(ディズニーXD、配信終了してんのちゃうかな)で見られるようなアニメーションばかりやった。
ディズニーは、奇妙な理由でクリエイティブな能力を失った、なんて長年のディズニーファンの友達が云ってたけど、この数年で、ディズニーの再生のペースが出来あがってきてんのちゃうかなとは思う。(Disney+とか動画配信でも業績のびてんのちゃうかな。あくまでも個人的になんの調べもしてません🙇‍♂️)
その意味では、ディズニーの映画界を救ったのはピクサーやてのは云いすぎじゃないんかも。
ピクサー作品にも多く携わった新チーフ・クリエイティブ・オフィサーのジョン・ラセターのおかげで、数年後にはピクサーに匹敵するような作品を作っていることに気づかされる。
『プリンセスと魔法のキス』が、この新しいルネッサンス時代の始まりで、今作品でもそれは続いていると感じたかな。
余談ながら、今作品のマザー・ゴーテルのドレスをよく見てみっと、ラプンツェルのものとは違うスタイルでした。
それは、上記の記述に奇しくもルネサンス時代のスタイルやし粋にかけたのか。
つまり、マザー・ゴーテルは少なくともルネサンス時代から生きていたことになる。
今作品の舞台がおそらく1700年代後半頃、ルネサンスが1300年代に始まったと考えっと、マザー・ゴーテルは400年以上前から生きとった計算になる。
恐るべしマザー・ゴーテル。
ラプンツェルの髪が切られたとき、彼女が塵と化したのはこのためなんかな。
扨、今作品は、って云うと、お約束の古典的なおとぎ話とは一線を画してるかな。
古典を基にはしてるんやろけど。
ラプンツェルは赤ん坊の時に誘拐され、悪女によってこの塔に軟禁。
彼女の髪は、実は特別な力を持ってて、それが彼女をとても欲しがらせる。
今作品の物語は、ラプンツェルは成長し、これ以上塔に滞在したくな~いって自我の芽生え時期。
ラプンツェルは、塔に隠れていた泥棒をタタキ出し、その賞品を隠す。
ラプンツェルは泥棒に、自分を一日だけ塔の外に連れ出すと約束させ、その後、泥棒が欲しがっているものを返す。
もちろん、2人の間には何かが起こり、常に、この善と悪のクライマックス的な戦いがある。
登場人物が意外にもリアルで魅力的だと感じたかな。
曲も結構キャッチーやったし、今でも頭の中で流れるほど。
今作品が、どないして作られたかについては、多くの論争があるそうやけど、最初はアニメーションの作画を残すことに懐疑的でしたが、コンピュータ・アニメーションの使用は良いアイデアやったんかも知れないって個人的には思う。
干支を一回りする12年前の作品やと、知らなかったら最近の映画かと思えたほど、アニメーションに命を吹き込み、ストーリーやキャラを抜きにして、映画の中に引き込んでくれました。
ストーリーに関しても、良いアイデアやと思うし、ピクサー作品ならではの、アニメーションを使った問いかけもあり、新たな高みを目指し始めた頃なんやろなぁ。
音声切り替えでラプンツェル役のマンディ・ムーアとフリン・ライダー役のザッカリー・リーヴァイでみたけど、主役としてよかった。
時たま日本語吹き替えにしたりしてたけど、ショコタン(中川翔子)もよかった。
二人(ショコタンいれて三人)は、思いもよらん方法でユーモアとウィットを役柄に与えてたかな。
今作品は単なるおとぎ話のアニメやなくて、ディズニーが待望のトップフォームに戻ったことを示す歴史でもあるんちゃうかな。
タイトルは、原題Tangledやけど、ディズニーの復帰は、これ以上ないほどストレートな宣言ともとれるかな。
Tangled(もつれた、からんだ、の意)は、ディズニーの絡んでしまった体制を直す意味合いが込められとんのか、ディズニーは、
『我々は戻ってきた、それだけだ』とホンマ宣言が聞こえてくるタイトルでもあるかな。
そして、彼らが、その後、現在に至るまでに、どんな作品をもたらしてくれたか、熱烈ではない小生でも目にしてきてますし、今後も善き作品を期待したいかな。
大人でも楽しめる善き作品でした。
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