140字プロレス鶴見辰吾ジラ

カリスマの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

カリスマ(1999年製作の映画)
4.0
【生きす】

黒沢清の不可解な空気がロングショットに目をこらしてたところで静に燃ゆる。冒頭の人質事件から殺生について鑑賞者の修行させられる展開が続く。“カリスマ“と呼ばれる周囲に対しての死の象徴を守るストーリーの中心は謎めいていてどこか体温を感じる。役所広司の掴めない演技と周囲の人物の自然体の狂気。ときにかかる飄々とした音楽。引きの絵で何か距離感をもって不可解と対峙する本作は、冒頭の人質事件に対する想いを回収しながら、映画という旅路性をエンドロールに示す。