千年女優

新・猿の惑星の千年女優のレビュー・感想・評価

新・猿の惑星(1971年製作の映画)
3.5
核戦争後に進化した猿人の末裔で、西暦3955年に起こった猿人と超能力に目覚めたミュータント人類の戦争の末に消滅した地球から科学者マイロと共に脱出した考古学者コーネリアスと動物心理学者ジーラの夫妻。爆破時に起こった時空の変化で1973年の地球に辿り着いた彼らが、互いに警戒しながら人間社会と接触する様を描いたSF映画です。

二匹目のドジョウを狙った前作で満足な成果を得られなかった20世紀フォックスがそれでもシリーズ化を諦めきれずにポール・デーンのタイムトラベルのアイデアを採用して制作した1971年公開の作品で、ドン・テイラーが監督を務めて興行収入は伸び悩むものの一定の成果は残し、批評面では続編四作品の中では最高との評価を獲得しました。

ほとんど破滅的だった前作の詰込と比較して実直なつくりで、第一作の異文化と触れる「ギャップ」の面白みを完全とは言えないまでも取り戻しています。視覚的なインパクトは地味でも設定自体を活かして後の『シザーハンズ』らにも通じる人の二面性、「個」が損得なしに抱く温かみと「種」が警戒心故に抱く残酷さを垣間見せる一作です。
千年女優

千年女優