タロウ

読書する女のタロウのレビュー・感想・評価

読書する女(1988年製作の映画)
4.3
『LA LECTRICE/読書する女』




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自他共に認める「良い声」のマリー(演: ミュウ=ミュウ)は、依頼を受けて本の朗読をするサービスを始めた。依頼者の自宅に赴いて、依頼者が読んでほしいと言った本を、依頼者に向けて読むのみ。

「ほんとにそれだけ?」

夫の心配をよそに、今日もマリーは本を片手に出掛けていく、、
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👀👀👀

 これ城定監督とか今泉監督がリメイクしたらめっちゃ合いそう!『猫は逃げた』『愛なのに』に似た雰囲気がある。めちゃくちゃ面白いコレ!!っていう熱量高いものじゃなく、めちゃくちゃ面白いテーマがゆったりゆったりと、見ていて時に首をかしげるような不思議な描かれ方。心地良いのに、結局何にそれを感じているのかがはっきり分からないっていう感覚。けどクセになるこの雰囲気。

 タイトルにもなっている「読書する女」と同名のマリーの自著(?)を彼女自身が読み進めることで映画も進行する。思春期真っ只中の青年や将軍夫人、忙しいシングルマザーの娘、どこか怪しげな社長等々、個性豊かなお客を相手に良い声で、物語をお届けするマリー。1人1人と丁寧にコミュニケーションをとりながら、物語の世界に誘う彼女の姿は魅力的。と思ったら、妻である身ながら自由奔放積極的に一女性としてお客に接してみたり、、つかみ所のない彼女の人柄が物語を通じて印象に残る。

 そんな彼女が街を闊歩する姿が頻繁に差し込まれるのもあって、彼女が朗読サービスを通じて人生そのものをまるっと楽しんでいる豪快さすら感じられるのも好き。ってなると、この映画自体がマリーみたいにも思えてきた、、笑

memo
・部屋の模様とか装飾とか小道具とか、画面がどこも目を引くおしゃれポイントばかり。頻繁に変わるマリーの衣装を見るのも楽しい!
・ママが仕事で家を空けている間に、マリーと一緒に移動遊園地に行こうと誘う女の子が超絶キュート!ママのおしゃれアイテムに身を包んだ姿が、ポストカードにしたいくらい可愛いです。

◎印象的アイテム◎
・バラ
・社長んちの黒いイス
・パンティー
・クモ
・劇中に登場する本たち(1冊でも知ってたらもっと楽しめたろうな、、)
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