CureTochan

ヒートのCureTochanのレビュー・感想・評価

ヒート(1995年製作の映画)
2.5
あまり期待しないで観たが、ラストだけは意外とよかった。ただ長すぎた。最高に面白かったマイケル・ベイの「アンビュランス」はこれを下敷きにしたんだな。でも犯罪者も警察も、軒並みアンハッピーで辛気臭い顔をしてるあたり、古い映画だと感じた。私生活が楽しそうな犯罪者もいて良いはずだ。退屈しちゃって飛ばしながらだったので、このスコア。みんな、ほんとにこれそんなに面白かったのかしら?インディ・ジョーンズ5より?

最初にアル・パチーノがベッドから出たあと、女の子が登場して、「パパ」って言うんだけどパチーノ先生のことではないらしい。先生の芝居から、父親らしさも、また愛人っぽさも、両方感じられないので本当にわからない。娘のなくなった髪留めについて母親のセリフがあって、それに対して娘が不満そうな顔をするんだけど、その理由がわからなくてネット上でシナリオを検索した。セリフも変わってるし、わからなかった。こういう舌足らずな演出は昔の映画に多く、「タクシードライバー」もそれで脱落した(アメリカ人でもわからないようだった)。それに本作は、全然シナリオ通りに喋ってなかった。ト書きも、キャラクターの出身地とかまでいっぱい書いてあったのに、映画ではほとんど表現されてなかったと思う。

「と思う」というのは、ちゃんと観てないからだ。私も努力したのだが、デ・ニーロは最後まで紳士であり、強盗に見えなかった。もし強盗だとしたらメチャクチャ頭が切れるんだろうなと思ったら、ドンくさくて殺そうと思った相手に逃げられた。あんな強盗、優しすぎてすぐ死ぬ。アル・パチーノも、冒頭の女と寝てる場面からして老人みたいで色気がないが、これを渋いと言うべきか(でもU-NEXTの吹き替えの声はヒドイ)。最初の30分で、あと2時間22分も見るのは無理だと思ってネタバレサイトを検索し、話を読んだ。

ネタバレを読んでると、主演の二人が会って話すシーンがあったので、中程のそのシーンから再生した。デニーロの女役とか、あと黒人の刑事とかの芝居は楽しめた。でもまた退屈になってネタバレに戻り、スッピンのアシュレイ・ジャッドのシーンぐらいで映画に戻った。何度も離婚している主人公のような鑑賞態度で申し訳ない。

パチーノ先生が娘を必死で助けるシーンは良かったんだけど、たとえばダスティン・ホフマンとかのほうがもっと人間味があり、緊迫感があっただろう。

ラストは、デニーロがもっと根っからの強盗に見えていたら、より味わいがあったのではなかろうか。あんなどうでもいい男に復讐して、なんで女とヒコーキに乗る方を選ばなかったのか、なんか伏線があったのかもしれないけど飛ばしたのでわからない。音楽も大したことないし・・
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