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炎のランナーのYYamadaのレビュー・感想・評価

炎のランナー(1981年製作の映画)
3.5
【スポーツ映画のススメ】
 炎のランナー (1981)
◆競技名:
🏃‍♂️陸上競技/短距離走
◆競技の舞台:
 パリ・オリンピック (1924)
陸上競技 100m/200m/400m
 
〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・1919年、ケンブリッジ大学に入学したユダヤ人のハロルド・エイブラハムスは、足の速さでは誰にも負けず、走ることによって栄光を勝ち取り真のイギリス人になろうと決意。プロのコーチに師事することになる。
・一方、スコットランドには、神のために走る若き牧師エリック・リデルがいた。2人は1924年のパリ・オリンピックを目指して競いあう…。

〈見処〉
①アマチュアリズムとは何か?
 アカデミーに輝くスポーツ映画の原点。
『炎のランナー』(原題: Chariots of Fire=「炎の戦車」)は、1981年に製作されたヒューマン・ドラマ。第54回アカデミー賞では、作品賞 ・衣裳デザイン賞・ 脚本賞・ 作曲賞 を受賞している。
・19世紀の英国に発祥した上流階級の権威保持思想「アマチュアリズム」。その弊害にて近代的トレーニングを採用する米国の後塵を拝することになった英国であるが、
本作主人公のユダヤ人青年と聖職者の息子の2人が、互いの人種的・宗教的偏見を克服して1924年のパリ・オリンピックで優勝するまでを描く。
・監督は本作がデビューとなったヒュー・ハドソン。プロデューサーは、ダイアナ元妃の恋人と噂され、彼女が自動車事故で亡くなった時に同乗していたドディ・アルファイドが務めている。

②スポーツ史に残る「有名テーマ曲」
・アカデミー作曲賞に輝いた、ギリシア出身のシンセサイザー奏者ヴァンゲリスによる本作のサウンドトラック『タイトルズ』は、日本でもテレビ番組のゴールシーンで多用される、世界的に認知された有名曲。
・2012年のロンドン・オリンピック開幕式では、「Mr.ビーン」ことローワン・アトキンソンが、ロンドン交響楽団の一員に紛れ込み、コミカルに本曲を演奏。また、セント・アンドリュース海岸をランナーたちが走る本作の有名なシーンが上映され、ここでも、ローワン・アトキンソンが登場し、ハプニングを引き起こすというコミカルな演出が世界中に配信された。
・なお、同五輪では表彰式のテーマ曲としても本曲が採用されている。

③結び…本作の見処は?
○: 冒頭とエンディングに流れるテーマ曲にあわせ海岸を走るランナーのシーンは、スポーツの尊さが表現されている。スポーツ映画の重要シーン。
○: 叙情的な描写は少く、淡々とストーリーが進行。鑑賞者の感情に訴える演出ではないが、排他的でありながら尊厳も併せ持つ当時の英国が写実的に描かれている。
○: 当時の競技衣服やパリ五輪会場など、時代背景を理解出来る格好の作品となっている。
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