垂直落下式サミング

頭文字[イニシャル]D THE MOVIEの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

4.5
武内樹=ウソップが解釈一致だったので吹替え版がおすすめ。日本の漫画原作をそのまま日本で撮ってるのに、出てくる奴らはほとんど香港映画の面々。それを踏まえてみないと、あなたの目はあなたの体を離れ、北関東の豆腐店のオヤジがアンソニー・ウォンという異世界に迷い混むこととなる。
『インファナル・アフェア』シリーズのスタッフを中心に実写映画化され、新潟県の弥彦山スカイラインや群馬県渋川市の春名山がその舞台。確かに、漫画に出てくるような山河の地形に依存した峠道は、日本特有のものかもしれない。ほとんど街灯もなくて、連続ヘアピンカーブに、傾斜のあるベタ踏み坂、山岳部にはこんなのがいっぱいある。こんなところでワイルドスピードがニトロをぶっぱなせば、ガードレールをぶち破って崖から落ちるしかない。シーユーアゲイン!
役者も背景も邦画っぽさがなくて、ロケーション撮影の色合いが新鮮でいい。メイクなのか照明なのか、何が違うのかはわからないが、鈴木杏も最高にかわいかった。
そして、アンソニー・ウォンの名解説!原作に比べるとやたらコミカルなキャラクターになっていて、最後の下りレースでは、どこで差がついたのか、なぜこちらが速かったのか、レースの展開を素人に講釈しながら評価。そういえば聞いたことがある…、知っているのか雷電、もしくは御託並べの海原雄山、日本漫画は知識自慢が大好き。この説得力によって、走り屋たちの駆け引きが真実味のあるものになっている。溝落としはさすがに嘘過ぎるが。