1960年代、アメリカで大陸横断鉄道の建設が始まるが、私腹を肥やすためにディック(ロバート・プレストン)らならず者を使って工事を遅らせる財界人もいた。ディックの旧友ジェフ(ジョエル・マクリー)は鉄道会社側に雇われ、2人は対立すると同時に郵便係のモリー(バーバラ・スタンウィック)と三角関係になる。
鉄道の脱線の迫力映像に、火の中を突き進む車両と、セシル・B・デミル監督らしいダイナミックでロマンあふれる大作だ。
南北戦争の退役兵たちによって、世界初の大陸横断鉄道が築かれていくという歴史を知るいい題材でもある。
一方で、利権争いをする投資家によって、対立する立場になってしまう男の友情がアツく描かれる。
ジェフとディックの信頼関係は一つの見どころなんだけど、強盗で人殺しは許されないだろって思ってたら、そのとおりの結末を迎えてしまい、最後はちょっとほろ苦かった。
見た目はともかく、超強い用心棒のフィエスタとリーチのコンビが作品の隠し味だ。実は、彼らが観客に代わって悪を懲らしめ、爽快さを生み出してくれている。
フェイスタ役のエイキム・タミロフ、「誰が為に鐘は鳴る」でもゲリラとして逞しく戦ってたっけ。
相変わらずバーバラ・スタンウィックの豪快さも気持ちいい。うっとりとジェフを眺めてつぶやく “大した男だわ” は名ゼリフだろう。
先住民をとてつもなく無知で野蛮な存在に描いているのも、この時代、この監督らしい。