ハレルヤ

マーフィの戦いのハレルヤのレビュー・感想・評価

マーフィの戦い(1971年製作の映画)
3.7
第二次世界大戦末期の南米で、イギリスの商船がドイツ軍のUボートに襲撃されて乗務員はほぼ全員皆殺しにされる。唯一生き残った主人公マーフィはドイツ軍に復讐するため、単身武器や飛行機を用意して戦いを挑む戦争映画。

監督は「ブリット」のピーター・イエーツ。昔の映画というのもありますが、戦闘シーンはやはりCG無しのド迫力。冒頭から容赦ない攻撃で死屍累々。無慈悲にも何の抵抗も出来ずに攻撃されるイギリスの商船。早速引き込まれます。

目の前で仲間を全員失ったマーフィ。彼のドイツへの復讐心は強く、実際に終戦を迎えても周りの声も聞かず、Uボートへの攻撃を止めようとしません。自分の中ではまだ戦争は終わっていないと。

そのマーフィを演じたのは名優ピーター・オトゥール。「アラビアのロレンス」でのロレンスに通じる意志の強い主人公像。終盤での復讐の鬼と化した姿も必見です。

南米の自然描写も見所の1つですし、画面越しに暑苦しさや汗臭さが伝わってくるよう。そして戦争が生んだ復讐劇の無情さが感じられるラストシーン。なかなか忘れられないインパクトがありました。

興行的には失敗だったらしく、全然有名ではない作品ですが、芯の強さが感じられる力作。 一見の価値は十分ある作品でしょう。
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