レビューが前後するけど、2024年一番最初に見た映画はこちら。
小さな漁村、慎ましく暮らしている牧師の娘たちと村人のところにやってきたフランス人女性が、国に帰れるのをきっかけに、自分の国の美味しい料理を食べさせてもてなそうとする。
そして、食の豊かさを通して人生の喜び取り戻させるという話。
島国にはよくあるように、この村も閉鎖的で、宗教観念が強く清貧を良しとし、必要以上の贅沢を寄せ付けない、そんな暮らしを当然として営んできているわけで、そこに突然高価なフランス料理を出してもてなすと言われても、得体のしれない食材、贅沢をすることへの罪の意識に村人たちが戸惑うのも当然。
でも最後にはやはり美味しいものは人の心を緩ませる。
喧嘩していた者達も手を取り合い人生への賛歌を歌いだすようなラスト。
私がたまに行くラーメン屋に、大きく「人生飯さえ食えていればなんとかなる」的なことが書かれた額が飾られているのだが、まさにそうだと思う。
ちょっとした喧嘩や小競り合いは、厳しく自分を戒める心の余裕のなさから生まれることもあるし、美味しいものをちょっと食べた位で幸せになるなら、こんな楽なことはない。
実にシンプルなメッセージ。
ただ、海亀のスープだったり、うずらの丸焼きだったり、本格フレンチなのかもしれないけれども、結構見る角度によっては現代の我々だって衝撃。
命を奪っている(命をいただいている、という方が良いんだろうけど)ということが丸わかりで、いきなりそれではハードル高すぎ。
慎ましやかさん、それも殺生を基本は良しとしなさそうな人達に、食べる前の生きて動いてる状態、出来上がりもまるっと頭ついてるとかガンガン見せるのって、結構ショッキングだよね……笑
ワインとかならともかくらもう少しショック和らげるようなものを出してあげても良かったんじゃないかしらとは思わなくもない。
ほんと気になるのは、そこだけ。笑