元空手部

大日本帝国の元空手部のレビュー・感想・評価

大日本帝国(1982年製作の映画)
3.8
所謂善玉と悪玉の二項対立で話が進み、善玉は現代人的な価値観を持ち、悪玉は玉砕精神の持ち主や敵が維新を持つ米兵などが該当する。これが効果的に示されている場面がある。
組織的抵抗が終わった日本軍と民間人の混成部隊が歌を歌いながらバンザイ突撃をする場面では突撃する兵士や民間人の姿がアップで映し出される。一人一人の顔を映し出すことで、個々のパーソナリティが強調されている。この場面ではそれをあおい輝彦たち善玉が眺める。観客の抱くべき感情を善玉の視点が画面に顕在させており、一種の異化をもたらしている。

そして、本作では仏像のショットも挿入される。仏像のショットはインサート的に挿入されているだけでショット間の連携としては機能していない。加えて仏像のアップとしてのみ映し出されていることから時代性から超越したものとして捉えられていた。
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