チッコーネ

百合の伝説/シモンとヴァリエのチッコーネのレビュー・感想・評価

3.5
もっと観念的なアート作品だと思っていたのだが、意外にしっかりとした劇映画。
原作はベストセラー小説らしい。
女性を閉め出した作品でもあるが、あらかじめ無理なく腑に落ちる設定が、用意されている。
うまい女形といまひとつの女形がいる中で、黒人の役者はいい味を出していた。
彼女に充てられた台詞は、なかなかにデコラティヴ。
また「枯葉を敷き詰めた水辺に浴槽を置き、男たちを愛し合わせる」という耽美な画面作りにも、ゲイならではの凝り性が発揮されていて面白い。