ハラダユウキ

オアシスのハラダユウキのレビュー・感想・評価

オアシス(2002年製作の映画)
5.0
この魔法に気付けないような人でなくてよかった。

裸足で歩けば誰にも気付かれないし、誰にも気疲れしない。
そんな2人の究極の純愛映画。
俗‘が'言うところの異次元の中で疎外感を感じるからこそ潤う(2度言うよ)究極の純愛映画。
枯れ木でさえ潤い、不安は堕ちて消えた。
互いを知らずとも言葉にならぬままでも認めきる、地を這う鈴鳥たち。

神にさえ頭を垂れないその反逆は彼女を想う真っ白が故の姿勢、純真とはここまでいってこそをこんなに素晴らしく描けるものなんだ。
カメラワークで寄り添う目線、この作品に携わった人みんな偽善じゃないってわかる。
高速での不自由な踊りは、真の自由に光速で近付いていった。



'聞きたいことが...あって...電話しました'
恋心をもってこの言葉を声に出すとき、スラスラと言える方がきっと愛について不自由なんだろう。

一人前の意味ってなんだ?
'あのザマ'とほざく'そのザマ'
こうやって嫌な気持ちにちゃんとさせられる描写があれば感じ易い、普段に於いてもそう。
そっち(こっち)にどんな社会的な障害みたいなもんがあろうとも、こっち(そっち)には関係ない。
この目が黒いうちは絶対にこんな白い目なんてしない。考えるんじゃない感じるんだ。
お姫様に花束を届ける、反逆者だと周りが笑ったとしても。

行動に責任なんて無い
たとえ責任なんてのを持ったとしても
その先にあるオアシスへこんな風に進む
最終列車を見送り歌う駅のHOME/OASIS




冒頭、なぜ豆腐?ってその意味を知って、更に心地よい堕ちないラスト。
そして、白を着ることの大切さ。
もっともっと誰かの好きなことを知りたいし理解して生きてたい。
とにかくムン・ソリの演技が神懸かってる。
理想と現実がまどろんで、どっちも夢なんだって。

この本番とは別撮りの夢ジャケのポスターが超欲しいんだ。
企画くださったヒューマントラスト有楽町に感謝、スクリーンで観直せてよかった。