千年女優

三十四丁目の奇蹟/34丁目の奇蹟の千年女優のレビュー・感想・評価

4.0
クリスマスを控えたNYマンハッタン。三十四丁目にあるチェーンストアのメイシーズが開催するパレードでサンタの代役を見事にこなして人気を集める老人ドリス・ウォーカー。ところが自分が本物のサンタだと主張したため不審がられてついには裁判を起こされてしまった彼が、弁護士のフレッドの助けで起こす奇跡を描いたドラマ映画です。

脚本家のヴァレンタイン・デイヴィスがニューヨークを舞台にして書き上げた原案を20世紀フォックスがジョージ・シートンの監督で映画化した1947年公開の作品で、ハートウォーミングな物語が絶賛されてアカデミー賞で脚色・原案・助演男優賞の三冠を獲得すると『素晴らしき哉、人生!』と並ぶクリスマス映画のクラシックとなりました。

数々のクリスマス物語と同様に「奇跡」を描きますが、他作品が採用するファンタジーではなくあくまで「人々の信じる心が起こした」としてサンタクロースそのものの意義と共鳴させて題材と物語の正当性を証明します。かといってリアリズムに徹することなく夢の余地を残すバランス感覚にも優れた、キレイゴトを全うする美しい一作です。
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