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なまいきシャルロットの一人旅のレビュー・感想・評価

なまいきシャルロット(1985年製作の映画)
3.0
クロード・ミレール監督作。

シャルロット・ゲンズブールの出世作となった青春ドラマの佳作で、鬱屈した日常に嫌気が差した少女の機微を描きます。

産まれた時に母親を亡くし、職人の父親と兄、母親代わりの家政婦と暮らしている13歳の少女:シャルロットは、鬱屈した日常に辟易しているが、ある日同い年の天才ピアニストの少女と出会ったことをきっかけにこれまでの人生を好転させるべく奮闘するが…という思春期青春ドラマで、ボロ家に住む貧しい自分とは対照的に華やかで恵まれた少女の暮らしぶりを見たヒロインの退屈な日常からの逃避願望と未知なる世界への強い憧憬の果てを、家族や近所に住む年下の少女との関わりや年上の船乗りの男との危うい交流を交え映し出しています。

青春映画としては平凡な作劇ではありますが、撮影時14歳だったシャルロット・ゲンズブールが自分とは異なる世界に住む少女に強い憧れを抱くヒロインをびっくりするくらいの“小声”で繊細に演じ切っていますし、口はかなり悪いが包容力と洞察力でヒロインの心に寄り添う家政婦に扮したベルナデット・ラフォンも味わい深い演技を魅せています。
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