140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ランボー 最後の戦場の140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

ランボー 最後の戦場(2008年製作の映画)
4.0
”ガチ勢の荒野行動”

今、少年少女の間で
「荒野行動」なるスマホでできる
FPSゲームが流行っていると言う。
まだ中学生くらいの少年少女たちが
「友達の頭撃ち抜いた」
「あのキルはスカッとした」
とスマホ片手に目を輝かせている。
世も末か?
あの日「バトルロワイヤル」という映画を
学校や社会が危険視したあの日は
スマホという個人空間に上書きされ
どこへ向かっているのか?
まさかスマホ×少年少女×戦場ゲーム
いつかくる日本の姿なのか?

そんな少年少女たちに
R18指定だが、道徳教材として
これを見せろ!
「ランボー 最後の戦場」

血で血を洗うは当たり前
死が死で上塗りされ
肉片、血飛沫、肉塊
ありとあらゆる暴力性が一切の慈悲とカタルシスをそぎ落として、眼前でエクスプロージョンする。これは英雄の映画か?ヒーローの映画か?ある種究極的にリアリズムに溢れた、ホンモノの英雄の鉄槌の炸裂劇が、いかなる殺戮劇になるかを画面いっぱいに迸らせたまたとない戦場映画なのである。

「少年少女よ、これが戦場だ!」

至近距離で放たれる機関銃で瞬時に肉塊と化す人間
ライフルで2体抜きする人間ストラックアウト
有象無象が肉片をまき散らして崩れていく様

DONBIKIDAZE

ニコラス・ウィンディング・レフンがライアン・ゴズリングを主演に迎えた異質な傑作となった「ドライヴ」のエレベーターのシーンにて主人公が悪党の頭を踏み砕く爽快なバイオレンスと、それに恐怖した彼女の眼差しを想起させられた。

英雄の孤独性と報われなさ
哀しき戦士の歩む煉獄

「ムダに生きるか、何かのために死ぬか」

”何かのために死ぬ”人生を生きられるか私。
”ムダに生きるな”少年少女たちよ。