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サーティーン あの頃欲しかった愛のことの4423のレビュー・感想・評価

5.0
ニッキー・リードが自身の体験を元に脚本を書き上げた、非行に走る13歳の少女たちの青春物語。

常に鋭く、常に痛みを伴う彼女たちの行動にグサグサと心を抉られるようだ。きらきらと輝きながら全力疾走→破滅という流れは痛々しいが、役者たちの鬼気迫る演技に圧倒されあっという間に時間が過ぎてしまった。何より娘の急激な変化に悩む母親を演じたホリー・ハンターの演技が素晴らしいの一言に尽きる。

私自身はごく平凡な13歳だったし、学生時代も至ってふつうのスクールライフを送っていたように思える。だが、ふつうでも悩みごとは尽きなかったし、嫌なこともたくさん経験した。彼女たちとの違いは危険な道を通ることを恐れ、それを回避するために長く遠回りをしていただけに過ぎない。

いやいや、こんな13歳ありえないっしょ…とも思うのだが、10代の屈折した心理や行き場のない感情、でも確かにこういう子いたよなと思わせる限定された期間における細かい描写の上手いこと上手いこと。何かしらの感情が沸き上がってくる良い作品だと思う。私はそういうものを映画から吸収していきたいのだ。
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