ハレルヤ

ベルリン、僕らの革命のハレルヤのレビュー・感想・評価

ベルリン、僕らの革命(2004年製作の映画)
3.8
現代の社会に不満を持つ若者ヤンとピーター。金持ちの家へと不法侵入し、家具を積み上げるなどの嫌がらせをして何も盗らない。そんな活動をしていたが、ある日ピーターの恋人ユールが活動に加わった事でトラブルに発展してしまう青春ドラマ。

富裕層と貧困層の差が露骨に表れているドイツ。そんな体制に一矢報いようとするヤンたち。物は盗らずユニークを交えた荒らし方で金持ちたちの放漫な姿に警鐘を鳴らす。その姿勢を見せつける前半はなかなか面白くて興味津々で見ていました。

しかしユールと揉めているビジネスマンを成り行きで誘拐せざるを得なくなった事態から、物語のカラーは一変。大人と若者の考え方や価値観の違いを話し合う形で、勢いがちょっとガタ落ちになったのは少し残念。

当時「グッバイ、レーニン!」で一躍脚光を浴びた直後。そして今も活躍し続けるダニエル・ブリュールの躍動する姿は注目。

いくら正論を盾にしようとしても最終的に助けたかったのは自分たちの事。勝利も敗北もない不毛な争いについても踏み込んだ内容で、ラストシーンも不思議な余韻が残ります。
ハレルヤ

ハレルヤ