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3人のエンジェルの一人旅のレビュー・感想・評価

3人のエンジェル(1995年製作の映画)
5.0
ビーバン・キドロン監督作。

1994年にオーストラリアで制作された名作『プリシラ』のハリウッド版で、3人のドラッグクイーンが繰り広げる旅と騒動を描いたロードコメディです。

NYの女装コンテストで優勝したドラッグクイーンのヴィーダとノグジーマが、ヒスパニック系の若手女装家チチを連れて、全米大会の開催されるハリウッドを目指してオープンカーでアメリカ横断の旅に出ていく様子を描いたロードコメディの痛快作で、途中で車が故障したことにより小さな田舎町で週末を過ごすこととなった3人組が町の住民たちと交流を重ねていく姿をユーモラスに描いています。

保守的な田舎町に3人のドラッグクイーンが新風を吹き込んでいく様が爽快な人情コメディで、都会から来た3人の型破りな考え方&行動力がそれぞれに悩みを抱える素朴な田舎の人々を元気づけていく様子がハートフルな味わいとなっていますし、よそ者が田舎の町に溶け込み住民と交流を深めていく様は『ローカル・ヒーロー/夢に生きた男』(1983)や『バグダッド・カフェ』(1987)といった名篇を彷彿させる心地よさがあります。

主演のパトリック・スウェイジ、ウェズリー・スナイプス、ジョン・レグイザモがドラッグクイーンに成り切った名演を魅せていて、表情から喋り口調、歩き方&走り方まで女性の所作を完璧に再現しています。派手なドレスアップも素晴らしく印象的です。
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