このレビューはネタバレを含みます
尖っているので好き嫌いが別れるとは思いますが、個人的にはかなり好きな映画です。
「僕は環境の産物だよ」というエリオットの言葉がとても胸に深く刺さりました。
この『ふぞろいな家族』がモンスターなのか、それを取り巻く環境がモンスターなのか……もしくは環境がモンスターを生み出したのか。
家族それぞれが自分の問題で手一杯で、ぶつかり合うこともとても多い。どこからどう見ても問題しかなく、親戚からも腫れ物扱い。
でも、誰かがそこで苦しんでいる時に駆けつけるのも、傍に居るのも、他の親戚ではなく、この家族なんです。
苦しみに寄り添い合いながら、どうにかして家族という形を作ってみんなで生きていこうと藻掻く家族達の人生を垣間見ている気持ちで視聴していました。
「家族の記録」である、ホームビデオ風の演出もとても好きです。
痛みがわかるからこそ、理解出来ているかはわからないけど、理解し合おうとしている。
リンが娘や息子の精神状態を積極的に伝えようとしていたのも、そのひとつであると思っています。頑張って息子や娘を理解し、寄り添おうという愛を感じました。
まさに『環境の産物』はリンもそうなので、上手く行かないことばかりでしたが。
結局モンスターはこの家族だったのか、環境だったのか、環境がモンスターを生み出したのか。
私は生い立ちにかなり難があるので偏った考えしか出来ませんが、これからも何度でも考えていきたいと思わせられました。