Mikiyoshi1986

あゝ同期の桜のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

あゝ同期の桜(1967年製作の映画)
3.9
「この一篇を大平洋戦争に散った若き英霊に捧ぐ」
8月8日は中島貞夫監督の83歳のお誕生日です。
おめでとうございます!

戦局の悪化によって大日本帝国はいよいよ苦境に立たされ、兵力不足を補う措置として徴兵が学生にまで及んだ1944年。
学業半ばにして戦争へと駆り出され、"神風特攻隊"として太平洋へ飛び立った若き学徒兵たちの群像劇を中島貞夫が描いた大ヒット作。

迫りくる死を目前に、両親、妻、子供、恋人、学業など、青春のすべてを擲って戦場へ向かう若者を松方弘樹、千葉真一、夏八木勲、蟹江敬三等の面々が演じます。
この東映戦記シリーズを引き立てたのは任侠劇のエース鶴田浩二と高倉健が演じる上官役。

南条(夏八木勲)の嫁役・佐久間良子の「マフラーにして」ではもう涙が止まらないし、
白鳥(松方弘樹)の妹役・藤純子は安定の可愛さ。

南条少尉の最期とか、物資不足(燃料)くだりなど、突っ込みどころはちと多いものの、
己を奮い立たせ、大空へ飛び立っていった彼らの姿には同じ日本人として畏敬の念を禁じえません。

劇中歌「同期の桜」が伝える彼らの誇り高き思い、
そしてラストで映し出される実際の映像には痛烈なる反戦へのメッセージが込められています。
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